【 第23話 | 2014.11.20 】
なめらか&軽やか まとめ編
なめらか&軽やかに滑るために、まず何と言っても一番大切なのは、実は『滑り込み』。
最初は野山を駆け回る子供のように、公園や河川敷などを滑って滑って滑りまくる。アップダウンがあれば、さらに良し。
それなりに滑れるようになってきたら、今度は足裏の感覚を磨いていく。乗っているのはアウトエッジなのかインエッジなのか真上なのか、そして何輪目に荷重しているのか、つまり『スケートに乗る』感覚を意識しながら、ひたすら滑る。
スラロームを始めたとしても、ブーツを履く度に毎回10〜15分でも良いので、このような滑り込みを続けるようにして感覚を磨き、このスケートに乗る感覚をスラロームに持ち込むのだ。
ところが、ただ普通に滑るだけの時とは違い、足の動きが単調ではないから、なかなかそう簡単にはいかない。ギクシャクしたり、スピードが落ちて進まなくなったり、なめらかに気持ち良くパイロン間を駆け抜けていく理想とは程遠く……。
となったところで、この『なめらか&軽やかシリーズ』に書かれていることを思い出してもらいたいのだ。
まず前から4輪目のウィールにしっかり荷重して、フロント系のスラローム技(フロントパラレル、フロントクロス、フロントワンフットなど)を、漕がずに初速をキープしたままパイロン15個通過できるように練習する。それができるようになったら、次はできるだけ1輪目に荷重してバック系の技(バックパラレル、バッククロス、バックスネーク、バックワンフットなど)を練習していく。(【第17話】なめらか&軽やか 基本の4輪目乗り編)
その際、腰骨を荷重するウィールに乗せる感覚で滑るようにする。もし『腰骨で荷重』がピンとこなかったら、フロント技の時はおしりを4輪目に、バック技の時はおへそを1輪目に乗せるようにして滑る。(【第18話】なめらか&軽やか 腰骨編《1》)
さらにスラローム技をする時、適当にササッと滑っていくのではなく、できるだけゆっくり、できるだけ大きな足の動きで練習して欲しい。(【第22話】なめらか&軽やか ゆっくり大きく編)
そして飛燕や大蛇などのコンビネーション技や、スイッチしながらいくつかのスラローム基礎技を繋いで滑るようになったら、4輪目や1輪目の荷重ポイントをキープあるいは乗り継ぐようにして、的確でスムーズな重心移動をしながらパイロンを抜けていくことを心掛ける。(【第14話】なめらか&軽やか 重心移動編《1》、【第15話】なめらか&軽やか 重心移動編《2》)
だんだん習得したスラローム技が増えてきて、スピンも含めていろいろな技を組み合わせてスラロームを楽しみ始めた時、タイミングが遅れたりやバランスが崩れやすいように感じたら、膝と同様に肩や腕も適度に柔らかい状態を保って、上半身先行を意識して滑るようにする。(【第20話】なめらか&軽やか 上半身先行編《1》、【第21話】なめらか&軽やか 上半身先行編《2》)
そのうちにスピードも出てきて、スイッチやスピンなどを素早く回したくなってきたら、腰の回転を速くしつつ、土台となる下半身の安定も図る。(【第19話】なめらか&軽やか 腰骨編《2》)
最後に、足さばきがいそがしくなって4輪目と1輪目に重心を乗せ換えるのが難しくなってきたり、ルーティン中での正確な4輪目荷重に疑問を感じてきたら、フロント技の時に4輪目に荷重するのではなく、2輪目に荷重する滑り方を試してみる。2輪目に荷重しても減速することなく、4輪目乗りと同じように減速しない感覚で滑るようにする。(【第11話】なめらか&軽やか 応用の2輪目乗り編)
元々この『なめらか&軽やかシリーズ』、管理人自身が『loop -飛燕&鬼足-』の動画のようになめらかに滑れるようになったきっかけは、まずは何はさておき“2輪目乗り”ができるようになったのが最大の要因だと考え、そこから書き始めた。そして、他には何があるだろうと思い返していくと、“的確で小さな重心移動”や“スピン前の大きな重心移動”も外せないし、そうなると腰骨で荷重する感覚がその前提にあるし、そもそも“2輪目乗り”を覚えるためには”4輪目乗り”の感覚を知らないと話にならないし……、といった感じで芋づる式に、スラロームを滑る時に自分が重要と考えて意識的に練習してきた7つの鍵がランダムに出てきた。そのため、あべこべな順序でコラムを掲載することになってしまったという訳だ。
習うより慣れろ、細かいことを言っていないで練習すべし!というのも一理ある。ただ大人は頭で理解してから体に落とし込んでいく方が早い人もいる。そこでこのまとめを読んで気になったことがあるのなら、上に挙げた順序で練習するも良し、自分に欠けていると思うものだけ選んで練習するも良し、各コラムの詳細を読んで参考にして欲しい。そうやって練習して、前より気持ち良く滑れるようになったり、スラロームができるようになってもらえたら、長々と書いてきた甲斐があったというもの!
と同時に、文章を読んだだけでは理解し切れないこともあると思うので、ぜひ講習会に参加して、遠慮なく質問してください!
《高田健一》