スピンパワースライド 
– Spin Power Slide –

【POINT】

1. 最初から最後まで軸足のつま先に荷重
2. パワースライドの形をキープしたまま回る
3. 回転時のスライド足は地面の上を滑らす感じで

パワースライドの一種で、下段回し蹴りをイメージするような、スライドさせる足をぐるっと半回転させてからスライドするパワースライドです。インラインスケートならではの動きを取り入れた、迫力のあるスライド技です。

このスピンパワースライドは、普通のパワースライドと回転する方向を逆にする、あるいは軸足とスライド足を逆にすることによって、すぐにスライド足が背面に突き出すことができないのを利用して、その間、スライド足を回転させています。そのため、パワースライドを習得していないと難しく、またできれば右回りと左回りの両方のパワースライドができるようになってからの方が望ましいです。

まず、軸足とスライド足を左右の足のそれぞれどちらにするのか決めます。最後のパワースライドの形が得意な方の足が良ければ、その得意なパワースライドとは逆に回ります。あるいは、回転方向を変えたくない場合は、軸足とスライド足をそれぞれ得意なパワースライドとは逆にさせます。おそらく、最初はどちらが良いのかわからないと思うので、左回りと右回りを少し練習してみて、やりやすい方の完成度を上げるようにしてみてください。

動きの順序は下記のようになります。

まず、上半身を回し始めると同時に、軸足のつま先側2輪に全体重を乗せて100%軸足荷重になり、そのつま先を回転軸として回ります。さらに重心を落として低姿勢になってスライド足を遠くに出すように伸ばし、パワースライドでスライドしている時と同じ体勢のまま回転します。

軸足のかかとを半回転させ、かかとが進行方向を向いたら、そのまま固定して後向きで進みます。この軸足の回転は、『回しながら180°のところに来たら止める』というより、『かかとを素早く回して所定の位置に収めに行く』といった感じで、かかとを上半身（腰）の下にぴたっと入れ込む、あるいはパワースライドでスライド中の形と同じ落ち着きの良い場所にかかとをはめ込みに行く、ような感覚です。パワースライドよりも長い時間、軸足が回転するので、かかとの位置が決まるまでつま先荷重を維持してください。1輪目に荷重する割合が高いほど、回転しやすいかと思います。

スライド足はただ地面の上をウィールが転がっているだけで地面との抵抗を極力なくすように滑らせながら回し込みます。そしてこの体勢のまま、真後ろに向くまで耐えてください。気持ち的には浮かせて回したいくらいなので、上の動画を見ると、回し始めのスライド足のかかとが浮いていたりします。自分はこのくらい地面との接触を避け、できるだけ抵抗なくスムーズに素早く回すように意識しています。180°回して進行方向にスライド足を突き出す形になり、パワースライドの形なると同時にスライド足の4輪全てをしっかり地面につけて、スライドを開始します。

ここまで来たら、後は普通のパワースライドと同じです。スライド足をぴんと伸ばし、背筋も伸ばして胸を張るようにしましょう。

上の動画ではスライド中に進行方向を見ていませんが、スライドの時間が長い場合は、普通のパワースライドと同じく、安全確認をするために頭を回して進行方向を見るようにしてください。

このスピンパワースライドはオールドスクールな技ですが、見る人にパワースライド以上のインパクトを与えられるスライド技です。スラロームの入り部分などで使って、強い印象を与えることもできます。スライド足を回すコツさえ掴んでしまえば、パワースライドと同じ感覚でできてしまうので、このようなちょっとした『魅せ技』も習得してみてください！