column
コンシエルジュの閑話休題

【 第38話 | 2015.3.13 】

スケートブーツは性能とスタイル《1》

現在どこからもサポートされていない僕が、好き勝手にギアの好みを語るこのシリーズ、工具から始まりましたが、いよいよ大詰め。本丸のスケートブーツに入ります!

2015年3月現在、今年の1月末に買ったブーツがおそらく自分が入手した49足目。インラインスケート歴が21年だから、年2足以上履いてきたことになる。ブーツだけで一体いくらつぎ込んできたのか、気になるけれど計算するのはやめておきます。(笑

とにかく、これだけいろいろ履いてきたのだから、自分の好みやこだわりは良く良く分かっています。

さて、その好みやこだわりは、主に以下の7つ。
  ● 全体的なフィット感が良いこと。
  ● かかとの収まりが良いこと。
  ● フレームがセンターに付けられる、あるいは付いていること。
  ● ソールが硬くてダイレクトな反応が得られること。
  ● できるだけ軽いこと。
  ● 頑丈なこと。
  ● 自分好みのデザインであること。

最近はこれらに加えて、
  ● 楽チンであること。
が加わった。今は大会で優勝を目指すこともないので、ガチガチなブーツは窮屈に感じてきて。(笑

さて、僕にとってこの8つの条件を全て満たすブーツ、それはホッケーブーツだったりする。

とは言え、ホッケーブーツが必ずしもスラロームがやりやすいかと言うと、技やスタイルによってはやりづらい場合もあり、また近頃のカーボンソールのものでは、到底アグレッシブは無理。やはりそこは餅は餅屋、各ジャンルに特化しているブーツの方がやりやすい。

まずスラローム用のブーツ。

楽チンまで含めた8つの条件を満たすブーツで、目下、最も気に入っているのが『Seba High Light』。(正直なところ、デザインに関してはもう少し頑張って欲しいけれど……)

シェルのソール部分は普通のSeba Highと同じなので、フレームとのダイレクトな反応は良い。またインナーブーツとシェルが一体型なので軽量化されていて、しかもSebaのブーツの中で最も柔らかいから楽チン! その分、フィット感が落ちるけれど、Sebaにしてはかかとの収まりが良い方だから、バックル類を締めなくても大丈夫だし、スケートに乗る感覚を分かっていれば何の問題もない。それなりに使用してもインナーのへたりも気にならなく、耐久性も問題なし。

スラロームはトリックスラロームもフリースタイルスラローム(FSS)も大丈夫。ただし、FSSの難易度高めのスピン技をぐりぐりやるには剛性が足りないと思う。そのため、ガッツリとFSSに取り組むのなら『Seba TRiX』を選択するだろう。タイトなフィット感とダイレクト感が良く、軽い。そして自分は強力なカフのサポートは必要ないので、FSS用ブーツとしてはTRiXはまさにうってつけなのだ。

High Lightに話を戻すが、スラロームだけでなく、カフ付きの街乗り用ブーツとしても快適だ。普通のフィットネスブーツより機敏に動いてくれるので、滑っていて小気味良い&心地良い。

繰り返しになるけれど、『反応が良いのに楽チン』、このブーツの良さはこれに尽きる。だから、第一線から退いたスケーターにも、初めてSebaを履く人にも勧められる。

それから、まだ入手していないが、ソールがカーボンになった『Seba High Light Carbon』は、楽チンさはそのままに、さらに反応が良くなっているのではないかと思い、発表された昨年から虎視眈々と狙っていたりも。(笑

アグレッシブブーツでは、USD Carbon2・3系が自分的なベスト。Seba CJも良いブーツだけれど、今の自分の足には、軽くて低カフのこのブーツが合っている。

アグレッシブブーツらしくないフィット感と軽さ、でも耐久性は十分。そして構造的に足裏とソール裏までの距離が短く、感覚が掴みやすいので、グラインドがやりやすい。さらにブーツのデザインや交換パーツが豊富なのも嬉しい。

数年前にアグレッシブを本気で再開した一因に、USD Carbon2との出会いあった。このブーツなら、脚力も体力も落ちてきたおっさんスケーターでも扱いやすく、エアやグラインドができるかな、と思ったからだ。そして実際に予想通りだったし、Carbon 3やCarbon Freeバージョンも含め、一連のシリーズが大ヒットしているのも納得だ。

フレームの取り付け位置がセンターなので、普通のスケーティングがしやすく、フレームやウィールのセッティング次第ではスラロームも可能。もちろん街乗りも問題ないので、フリースケートやパワーブレーディングにも向いている。

という訳で、このUSD Carbon2・3系のブーツ、かなりオールマイティに使えるブーツであることには間違いない。

さて、続きは次回。こだわりの49足目のブーツについて語ります!

《高田健一》

ライター